最近、黄銅部品の腐食が報告されました。その腐食を専門機関で調査した結果、一般的な黄銅の腐食である脱亜鉛腐食(ガルバニック腐食とすきま腐食による)が起きている事が分かりました。 この腐食は銅と黄銅の間に導電性の水があると、黄銅の主成分である亜鉛が溶け出す現象です。腐食の進んだ黄銅はスポンジのような状態になり強度は無くなります。下記の写真左のチェックバルブは8年、右のドレンバルブは約25年使用した状態ですが、全ての同じ部品が同じように腐食が進行するとは限りません。諸条件により進行状態は異なります。 ライブスチームでは、通常水道水を使われる方が多いと思いますが、水道水は電導率が高くよく電気を通すためこの腐食は早く進行します。蒸留水やイオン交換樹脂使った整水器を通した水はこの現象は起きにくいですが、不純物が混入する恐れ等がありますので絶対ではありません。 黄銅製の部品はチェックバルブやボイラードレンバルブなど数多く使われており、ボイラーに使われている部品は圧力保持の役目も持っています。もしこの部品が運転中に腐食により破損した場合、ボイラー内の蒸気が一気に外に排出されることも考えられ大変危険です。皆さんボイラー検査を自主的に行っておられると思いますが、この検査だけでは不十分です。定期的に部品を外して点検し腐食のひどい物は部品の交換を御願い致します。 当社では順次部品を耐食性の材料に変更し対策してまいりますが、皆さんが今お持ちの製品を安全に長持ちさせるために下記の事を行って下さい。
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腐食でネジの無くなったチェックバルブ(8年使用) |
新品のドレンバルブと腐食で折れた物(約25年使用) |
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矢印のチェックバルブや水面計パーツを点検して下さい。 |
ボイラードレンバルブを点検して下さい。 |